〈記憶の蔵deいっぺんさん〉LIVEを前に
いっぺんさんに会いたい #25
弘長元年(1261)秋もなかば、
一遍上人(当時23歳)は諸国遊行の途中、
依知の里の薬師堂(このお寺から相模川をはさんで西南方面)に一夜の宿をとり、
夜もすがら一心に念佛を唱えた。
すると真夜中頃東の空が急に光り輝き、
妙見菩薩が姿を現され、
「あなたのおいでになるのを長い間待っていた。
この山はあなたに宿縁のある山である。
この山で修行すれば念佛の功徳は四海に及ぶであろう。
ゆめゆめ疑うことなかれ」と告げられ紫雲の中に消えた。
上人は夜の明けるのも待ちきれず、
相模川を渡り、東北方の大樹の茂る亀形の丘に登ってみると、
そこに妙見菩薩の小さなほこらを発見した。
上人はここに草庵を結び金光院と名付け、修行に励んだ。
それが、無量光寺の始まりという。